琉球大学立原研究室の愉快な仲間達による日々の記録★ミ
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ご無沙汰しております,おれんじうさぎです.
最近,立て続けに共著・主著論文が公開となったのでご報告です. 1報目は茨城県から得られた熱帯・亜熱帯性ボラ科魚類4種の北限記録です. フウライボラ,モンナシボラ,タイワンメナダ,ワニグチボラの北限を一気に更新しました. (タイトルをクリックでPDFに飛びます) 実は第一著者の外山さんとはSNS経由で知り合い,共著論文を執筆することになりました.なので,実はまだ実際にお会いしたことはないのです...! 高画質な携帯カメラとSNSがなければなかったかもしれない論文であり,”今どきな研究”だなと思いました. 個人的には,今まで形態の記載がなかったモンナシボラの稚魚が見所です. 2報目は奄美大島初記録のボラ科タイワンメナダ属 2 種,カマヒレボラとモンナシボラです. (タイトルをクリックでPDFに飛びます) カマヒレボラ Moolgarda malabarica (Shaw, 1804) モンナシボラ Moolgarada engeli (Bleeker, 1858) 特に北限記録とかではないのですが,"絶対いるはずなのに記録がない島"だったため記録を世に出せてよかったです. なお,カマヒレボラの学名は魚類検索第3版ではMoolgarda pedaraki (Valenciennes, 1836)とされてきましたが,本研究ではKottelat (2013)の見解に従い,本種に適用すべき学名をM. malabarica (Shaw, 1804)としました. また,分子系統学的研究において,本種はCrenimugil buchanani (Bleeker, 1853)として扱われることが多いのですが,Mugil buchananiもMulls malabaricus(=Moolgarda malabarica)の新参シノニムです.帰属のお話はまた今度時間をかけて書きたいと思います. ちなみに本論文の第2著者は学部時代にお世話になった(なりまくった)先輩である堀部さんです. ワニグチボラを眺める堀部さん 干潟を歩いてクタクタな堀部さん お世話になった先輩と名を連ねて論文が出せるというのは何だか感慨深いものがありました. それにしてもこの著者の並び,完全にRアユを書かねばいけない人たちですねぇ... おれんじうさぎ
みなさん,こんにちは.
実に3ヶ月ぶりのおれんじうさぎです. 今日はボラではなくハタのお話です. そのハタとの出会いは,2017年7月19日. 私がまだボラを研究し始めて間も無い頃でした. とある漁港のセリ場で魚をみていたところ,ハナハタやタテスジハタに並んで黄色と紫のサイケデリックなハタが!! セリ時間が迫っていたこともあり,とにかく大慌てで仲買人さんに駆け寄り"あのハタをなんとしてでも競り落としてください!お金はいくらでも払います!" とお願いしたのを今でも鮮明に覚えています. その後色々調べたところ,このサイケなハタはミナミハタ Cephalopholis polleni というらしいこと,国内では水中写真以外にほとんど記録がないことなどが判りました. しかし,ボラですら遅筆のおれんじうさぎがハタの論文なんぞサクッと書ける訳もなく...ミナミハタは永らく美ら島財団の標本庫で眠っておりました. そして時は流れ2018年の魚類学会,当時鹿児島大学M村研の修士1年だったN村さん (ハタ科魚類の分類が専門) と出会い,共著論文としてこの標本を世に出そうということに. その成果が最近,魚類学雑誌の記録・調査報告として出版されました. 論文はこちらからDLできます (※フリーではありません) ↓↓ ハタ科魚類Cephalopholis polleniミナミハタの標本に基づく日本からの記録 N村さん,M村先生には大変お世話になりました. この場をお借りして,御礼申し上げます. これでミナミハタもひと段落か...そんなことを思っていた矢先,ダイビング部の後輩からミナミハタの水中写真が送られてきたではありませんか! これはもう行くしかない.ということで,6月中に出すと言っていた原稿をほっぽり投げてミナミハタ探しの旅へ出てきました. ドロップオフを泳ぐおれんじうさぎ 激流の断崖絶壁や海中洞窟を超えてたどり着いたその先に... い,いたーーーーーー! 感動のあまり,暫し呼吸を忘れて放心状態のおれんじうさぎ. ダイコンの残り潜水可能時間がどんどん減っていく中,夢中でシャッターを切りました. この一瞬のためにお金や体力, 時間...あらゆるものを犠牲にしましたが,一切後悔は無いと言い切れる旅でした. =======================おまけ====================== ミナミハタを探す道中にも色々観ましたが,同じ熱量で書いてしまうと長くなるので簡単にご紹介です. アルファスズメダイ ヤミスズキ カブラヤテンジクダイ ベニハゼ属の1種 (ベニハゼ属の1種-36?) シラタキベラダマシyg サクラテンジクダイ? ハタタテサンカクハゼ? "旗立て"つながりでハタタテハゼ オハグロハギ ハナアイゴ
こんばんは,おれんじうさぎです.
2020年なんぞ遠い未来...オリンピックの開催地が東京に決まった際はそんな事を思っておりました.しかし,ふと気づけばそんな"未来"も残り10ヶ月を切ったわけで,時の流れの早さを痛感しています. 3月といえば三寒四温. 沖縄では真冬の如く北風が吹く日があったかと思えば,初夏のような暖かさを感じる日もあり,そんな季節の変わり目には,様々なボラ科の稚魚が出現し始めます. まずはボラ.沖縄島では11月初旬ごろから加入個体 (所謂ハク) が出現し始め,3月は加入期の終盤といったところ. 近年の分子系統解析の結果,"ボラ"ことMugil cephalusは,地域ごとに分化した複合種群である可能性が示唆されており,写真の個体がそれらのうちどれに該当するのかは判りません. 河川の純淡水域まで遡上するのはだいたい本種 (本属) で,小さな体でずいぶん上流まで遡上していきます. 対象種だからと贔屓するつもりはありませんが,海から内陸へエネルギーを運ぶという意味では,かなり重要な役割を担っているんじゃないかなと思っています. 普通種でありながら分類は混乱し,生態は謎だらけ. 日本の"ボラ"は一体何者なのでしょうか.ある意味,基本にして究極の存在かもしれません. 続いてはセスジボラ (上) とコボラ (下). 前述のボラよりやや遅く出現し,沖縄ではちょうど3月頃から多く採れ始めます. 日本産稚魚図鑑によると,両種は縦列鱗数と第1背鰭の位置 (セスジボラはコボラより前方に第1背鰭がある) によって識別できるとされています. また,セスジボラは体側正中線より下方に黒色素胞があまり出現せず,コボラに比べて白っぽい印象を受けます (ホルマリン固定するとより顕著).ただし,セスジボラの稚魚の形態には地域差がある可能性があり,琉球列島以外の個体群についてはよく判りません. コボラとアンピンボラ,ヒルギメナダはどう見分けるんだ! メナダとセスジはどうなんだ! 遠くからそんな声が聞こえた気がしますが,それはまたいつか. ええ,論文を書きます.書きますとも. そしてまさかの,タイワンメナダ. 画像の個体の採集日は2月29日なので,例年よりも1ヶ月以上早い出現でした. この時期からタイワンメナダが出るとは正直驚きです (厳密に昨年と同じ種であるか否かは一旦置いておくとして).やはり暖冬の影響なのでしょうか. 今年は是非ハクで季節を感じてみてください. おれんじうさぎ
ご無沙汰しております.おれんじうさぎです.
先日ふと過去の記事を漁っていたら,こんな記事を見つけました. U川の稚魚サンプル...これはやばいのが入っているのでは!? 未知のボラとの出逢いを求め,やってきたのはこちら↓↓ Ken MAEDA a. k. a. Dr. Goby にお出迎えしていただきました. にこやかな笑顔ですが,ものすごい強風が吹き荒れています. いきなり結論からいうとお目当てのボラは入っていませんでした. そんなに甘くはないか...orz 憧れはまだ憧れのままで. 話は逸れますが,お目当てのボラはフィリピンで大変珍重される魚であり,美味だそうです. 現地では乱獲が問題になっているとか. 帰りにOISTの貯水升で飼っている (住み着いている?) ボラを見学させてもらいました. 何やらいっぱい群れています 箱メガネで水中を覗く小生.こうしてみると意外に肩幅が広い. コボラとフウライボラが多く入っているようです. 前田博士,大変お世話になりました!! |
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